NI.Aの雑記

2024年4月23日の投稿1件]

 知床遊覧船沈没事故から2年というニュースを見て、ちょっと情報を掘ってみたりしてたところで見つけた有限会社知床遊覧船の事業許可取り消し処分の内容 を見ていたら、特別監査の結果で出てきた内容があまりにもひどくて信じられなかった。

 長いので隠し

・運航管理者は3年以上の船舶運航経験が必要だが、無経験の社長を任命していた
・運航中は常駐義務があるのに不在、任命が必要な代理も任命していなかった
・安全教育の実施記録なし
・当日の運航可否判断の記録なし
(前回監査で指摘されているのに記録をしていなかった)
・衛星携帯電話は故障して事務所に放置
・業務用でない無線だからNGと前回監査で言われていたのにそのまま使用
・しかも営業所の無線アンテナは破損した状態で使用不可能
・auの携帯が連絡手段だったが、当日は通じていなかった可能性大
・通じるはずのdocomoの携帯は当日船長は携帯せず
・まともな連絡手段がなく明らかにアウトなのに社長は出航を認めた
・事務所に管理者(社長)が不在で、当然義務のはずの定点連絡も一切なし

 業務で国際規格に関わっているけど、監査で指摘される部分がマイナーなものでも短い期間で修正指示や改善提案書を出させられるし、重大な指摘事項だとすぐに対応して対応したことを報告しないと規格がはく奪されるんだけど、安全運航に関わる国の監査で明らかにヤバい指摘が出てるのに直ちに改善する義務がないっていうのは、ちょっと法制度がお粗末な感じがするなぁ。
 この会社が人の命を預かるにはあまりにも酷いのは言うまでもない。社長は碌に謝罪もせずに逃げ回ってるみたいだし、ほとぼりが冷めたらまた始める気だったりするんじゃないだろうか。令和6年6月11日時点で欠格事項に当てはまらなくなるわけだし、地元の団体でこういうのを弾けたらいいんだけどね……。
 知床遊覧船のグループ会社で社長の父が代表に代わったホテルグループの「しれとこ村」は普通に営業しているらしいし、地元の有力者一族みたいだし、なんとも。
 亡くなった甲板員遺族との訴訟で毎月5万円を130年続けるという常識はずれな和解案を提案したらしいが、同族がやってる企業はしれっと営業しながら本人は別で資産がないからなんて逃げ方をするような一族が経営するホテルに泊まりたいものだろうか?私は嫌だけど。

 知床遊覧船社長を持ち上げたコンサルこと株式会社武蔵野についても特に聞かなくなったな。漏れ聞こえる話を見るに、典型的なソフト重視(と言う名の従業員の洗脳)なコストカッターというブラック企業生成機だったみたいだが。ダイヤモンドオンラインに連載を持っていたらしいが、ダイヤモンドはじめあの辺の怪しいビジネス記事なんか読んでるのはああいう変なコンサルに取り込まれるような人たちなんだろうな。そういう人たちが経営者として人の上に立ち、あまつさえ人の命に関わる事業をやってこういう事故を引き起こすとなると、この世の正義とはなんぞやと思うばかり。畳む

時事