NI.Aの雑記

No.59

「SF界の長老」ハインラインが行っていたファンレターへの独特な返信方法とは? | GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20240320-heinl...

 面白い記事だった。定型文の中から選んでチェックして返信するという内容だったのだけれど、これを見ると今のSNSで繰り広げられる創作者の頭痛の種もあまり変わってないのだなぁと思う。丁寧に対応しようとする創作者は多いけれども、実際のところこういう簡単でかつものによっては「言及しない」という返答をするのは大切なのではと思う。
 厚意には厚意で応えるものだけれども、不躾な人間や勝手な思い込みを投げつけてくる人間に丁寧に対応する必要はないのだ。たとえ、それによってSNS上で不躾な人間や勝手な思い込みを投げつけてくる人間に火を付けられようとも。燃え盛る小屋の中で子を産むがごとく、創作者は作品を生み出すことで黙らせるのが一番なんだろうと思う。

・私の物語を何年も楽しんできたとのことですが、どうして、ある物語が嫌いになるまで待ってから私に手紙を書いたのですか?(なぜ好きな時は手紙をくれなかったのに、嫌いになった時に手紙を送ったのか?)
・私は、同僚の作品や自分の作品については論じません。小説家は多角的な視点から書くものであり、たとえ一人称の登場人物であっても、その意見は必ずしも作者のものとは限らない。小説は娯楽として売られるものであり、事実として売られるものではない。
・サイエンスフィクションというジャンルは、科学や技術に関わる要素が省かれたら存在しなくなるような物語です。ジャンルに関する完全な議論については、私の「THE SCIENCE FICTION NOVEL」という論説を参照のこと。
・「Who's Who in America 1974-1975」は、作家に関する参考書です。(それを読んだらわかる通り)私は私生活、政治、宗教、哲学については論じません。
・法的な理由から、未発表の原稿は読みません。

 このあたりの項目を読むと面倒な読者と言うのは古今東西どこにでもいるんだなと思う。SNSで可視化されてさらに度合いが悪くなっているように感じているけども。

逆に
・切手を貼って宛名を書いた封筒をありがとうございます。滅多にないご厚意です。
 この項目は茶目っ気があって好き。嫌味ではなく、どういう理由でか中身のなかった封筒に悪意を見出さないで良い気持ちが詰まっていたと見なすのは、特に今の時代は大切だと思う。

・返事は期待していないとのことでしたが、あなたの手紙がとても嬉しかったことを伝えたいです。私は、あなたが海を渡り、風を追いかけ、そして人生を通して幸せな航海をすることを祈っています。
 推し作家からこんな返答が来たら生涯推すと思う。せっかく感想を送るなら、こういう風に思ってもらえるようなものを送りたいと思う。(けど、なかなか難しいとも思う。他人にささげる言葉は難しい)

メモ書き